さらにこそこそと(幻想水滸伝5)
2006年8月11日 げーむ、まんが。ようやく此処から逃げれた
走ってきたため息がきれている
その少年の横にはいつもの様に護衛の少女がいる
彼女は僕が見つめている事に気付き、僕を安心させるかの様に微笑んできた
僕が今彼女とは全く違う事を考えているとは気付かずに。気付こうともせずに。
一度、城を振り返った
手をひかれたため、それは一瞬で終わったがもう少し見ていたい気もした
此処とお別れできるのだから
嬉しいのか悲しいのかはわからない
あそこに何もないかどうかなど知った事ではない
これでようやく自分は本来の自分に戻れる
この瞬間を待っていたのかもしれない
ソルファレナの崩壊の時を。
ずっと此処をめちゃくちゃにしてしまいたかった
「さて、どうする?」
サイアリーズはそう呟いた
命からがら逃げてきたものの、行くあてがすぐにあったわけではなかったのだろう
鼻で笑ってやりたかったが、流石にそれは隠した
「王子、姫様が心配でしょうが今は逃げましょう。いずれ此処に戻ってこれますから」
戻ってくるつもりなどさらさらない
ルナスから無事抜け出した
此処からはパロウズ領だ
此処までこればもう大丈夫であろう
そこまできちんと僕は嘘を突き通した
「さて、どうするかだ。この先に・・・リィ?」
僕は叔母や護衛達に背を向けた
「僕は此処で抜けさせて貰うよ」
そう言った瞬間のリオンやサイアリーズ達の顔は忘れられないだろう
「あんた、今自分が何言ったのかわかっているのかい?」
「ああ」
「あんた・・・!!」
明らかなる怒気がサイアリーズから感じられる
それでも僕はひるむ事などなかった
「姫様がどうなってもいいんですか?」
その言葉には流石に罪悪感を感じないでもなかったが、ソレファレナが母上の国でなくなってしまった時点で僕は王子という柵から解き放たれた気がしていた
リムが心配ではないとは言わない
しかし、リムが殺される事はないだろう
ただ、政の駒として使われる様になるだけ
今までの自分の立場と何か違うだろうか?
いつだってもどかしくてこの苦しくて苛立たしい立場と
それでも、誰かがこちらに留まって見つめていてくれる様に無理に良い子になった
何を言われても傷つかず常に正しい事をする王子に
そうである事を誰もが望んだから
いつのまにかそうなってしまっていた
そして、誰もそれに気付かない
誰も本当の自分を見ようとはしない
母上、父上の忠誠のために僕を利用してはいないか?
いったい誰に忠誠を示したいの?
それを僕に押し付けるのか?
そんなものに興味などない
ようやく僕は自由な羽を手にいれたのだから
「どうでもいい。今まで君達が望む良いお人形さんでいたんだからもういいだろう?」
ようやく檻は壊れたのだから
私は何となくこういう結末を一番求めてたりします
絶対無理ですが、何となく。
黒い王子が良いです
きちんと人間らしい人間である事を望んでいるのかも
走ってきたため息がきれている
その少年の横にはいつもの様に護衛の少女がいる
彼女は僕が見つめている事に気付き、僕を安心させるかの様に微笑んできた
僕が今彼女とは全く違う事を考えているとは気付かずに。気付こうともせずに。
一度、城を振り返った
手をひかれたため、それは一瞬で終わったがもう少し見ていたい気もした
此処とお別れできるのだから
嬉しいのか悲しいのかはわからない
あそこに何もないかどうかなど知った事ではない
これでようやく自分は本来の自分に戻れる
この瞬間を待っていたのかもしれない
ソルファレナの崩壊の時を。
ずっと此処をめちゃくちゃにしてしまいたかった
「さて、どうする?」
サイアリーズはそう呟いた
命からがら逃げてきたものの、行くあてがすぐにあったわけではなかったのだろう
鼻で笑ってやりたかったが、流石にそれは隠した
「王子、姫様が心配でしょうが今は逃げましょう。いずれ此処に戻ってこれますから」
戻ってくるつもりなどさらさらない
ルナスから無事抜け出した
此処からはパロウズ領だ
此処までこればもう大丈夫であろう
そこまできちんと僕は嘘を突き通した
「さて、どうするかだ。この先に・・・リィ?」
僕は叔母や護衛達に背を向けた
「僕は此処で抜けさせて貰うよ」
そう言った瞬間のリオンやサイアリーズ達の顔は忘れられないだろう
「あんた、今自分が何言ったのかわかっているのかい?」
「ああ」
「あんた・・・!!」
明らかなる怒気がサイアリーズから感じられる
それでも僕はひるむ事などなかった
「姫様がどうなってもいいんですか?」
その言葉には流石に罪悪感を感じないでもなかったが、ソレファレナが母上の国でなくなってしまった時点で僕は王子という柵から解き放たれた気がしていた
リムが心配ではないとは言わない
しかし、リムが殺される事はないだろう
ただ、政の駒として使われる様になるだけ
今までの自分の立場と何か違うだろうか?
いつだってもどかしくてこの苦しくて苛立たしい立場と
それでも、誰かがこちらに留まって見つめていてくれる様に無理に良い子になった
何を言われても傷つかず常に正しい事をする王子に
そうである事を誰もが望んだから
いつのまにかそうなってしまっていた
そして、誰もそれに気付かない
誰も本当の自分を見ようとはしない
母上、父上の忠誠のために僕を利用してはいないか?
いったい誰に忠誠を示したいの?
それを僕に押し付けるのか?
そんなものに興味などない
ようやく僕は自由な羽を手にいれたのだから
「どうでもいい。今まで君達が望む良いお人形さんでいたんだからもういいだろう?」
ようやく檻は壊れたのだから
私は何となくこういう結末を一番求めてたりします
絶対無理ですが、何となく。
黒い王子が良いです
きちんと人間らしい人間である事を望んでいるのかも
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