私は初めて主演娘役がいない公演を見たんだけど、何か不思議ですね。
主演ってほんとに特権なんだね。

主演がいない公演を見て、誰が主役の物語か私はさっぱりだった。
もともと、あんまり人の顔の区別がつかない人なんだけど、あーちゃんとしずくちゃんの区別が私ついてなくてね
話し始めるとわかるんだけど、どっちがあーちゃんでどっちがしずくちゃんかわからず混乱してたよ。
始め、あまりわからず見てて浮舟@羽桜しずくと匂宮@瀬奈じゅん、薫@霧矢大き夢が幼馴染なのかと誤解してました。

どっちも丸顔でどっちも姫オーラがでてたものだから

その反面あいちゃんはばっちりわかったよ。
ああいう役似合う娘だよね、あいちゃん。
ちょっと気の強い生意気な女性が似合ってて、それでも女性で自分のいる場所からはあらがえない姿が痛々しくて綺麗だった。
でも、そんなのどんな人間だってそうだよねー。

主演娘役がいないからなのか、女役さん達の出番が多くて誰に比重をあてて見ればいいのかわからず右往左往したよ。
浮舟が一番のヒロインなんだろうけど、女一の宮@花瀬みずか、小宰相の君@城咲あいも比重が高くてねー。
誰に共感するのも作品としてはありなんだろうけど、主演がいない事で本当に誰をヒロインにしたっていい感じがしてなかなか興味深かった。

最終的なヒロインはしずくちゃんなんだろうけどね。

そして、もう1つ主演娘役がどうにもしっかりしなかったからか、最後あさこさんときりやんがWで主役しているように見えた

これは私だけがそう見えてるだけかもしれないけど、その1つの理由にこのお話主演男役と娘役が愛し合う話じゃないよね。
勿論、匂宮はきらびやかな世界で女性を侍らせるいい男だし、恋愛関係にもなっていく

でも匂宮は結局誰の愛も手にいれてないように思える

勿論、小宰相の君とは何の恋愛関係もあるはずがない
ただ、容姿が気にいったきれいな女性なんだろう
でも、あの時外の世界を教えたのは彼女だし、匂宮が外では生きていけないのを教えたのも彼女だ。
だから小宰相の君はある意味特別な女性ではあると思う。
彼が生きた事のない生きれない世界の女性。
女一の宮もきっと匂宮にとっては特別な女性だと思う。
でも、ある意味での聖域でもあるんだと思う。
絶対に変わる関係にない女性。
例え、匂宮が本当に恋い焦がれても女一の宮は態度も表情も変化させず、あのままあの世界で生きていきそうな気がする。

そして、浮舟。
これは私がそう思うだけで、違うのかもしれない。
匂宮さ、浮舟にすがっただけよね?
いや、それが愛じゃないとは言わないけど傷の舐め合いというかそういう風に感じてしまったのよ。
自分もあの世界で兄上の身代わり、順番が回ってきてカタシロとしてあの世界で生きていくしかなくなった時、初めて浮舟の強さやら切なさがわかってしまった
浮舟だから愛したんじゃなくて、あそこに薫によって閉じ込められてしまった少女を愛したんじゃないかなーと。

そんでもって浮舟も匂宮を愛したんじゃない様に見えるのよ。
匂君だから愛したんじゃなくて、自分を身代わりとして見ていないから救われたんだと思うのよ。
別にそれは薫だっていいわけよ。
薫が自分をきちんと一人の女性として認識していたのなら。
苦しいと思うよ、別の人間として生きなさいって言われるのって。
どれだけ努力しても頑張っても自分としてじゃなくカタシロとしてしか見られず、カタシロとしての実績になってしまう
自分をだしたらもしかしたら嫌われるかもしれない
自分にそっくりな物としか自分が見られない世界
何が正しくて何が誤ってるのかわからない世界に一人ぽつんと生きているのって、自分を間違いなく見失うにきまってるのよ
心がきっと痛いし、辛いし、どうすればいいのかわからないし

そこに、自分のまんまで生きたらいいって言われたら縋ると思うのよね
言って欲しかった言葉をくれる人がいる

それが愛じゃないとは言わないし、ある意味極限の愛なのだろうけど。
でも、それって自分で立ち上がれない赤ちゃんが、相手を選ぶ事も出来ず抱きかかえられた感じに近いんじゃないかなと。

それぐらいに薫が彼女を弱らせてしまっていたんじゃないかなと。
でも、そんな閉じ込められた世界で浮舟がずっと考えてたのは薫なわけだろうし
きっと、必至で琴の練習して薫に好きになって貰う方法を考えてたのではないかなと。
身代わりのカタシロとしてではなかったのなら薫を愛していたのではないのだろうかとも感じてたりします

だから、最後の場面で薫の言葉に簡単に頷くのではないかなと。

勿論、私のこれは解釈でひとの見方によって全然違うんだろうけど、そんな見方をしていたものだから私の中で薫の比重がものすごく高く見えてW主演のように思えてしまったのよ。

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