日本人ってお涙頂戴主義には結構弱いと思うけど、えぐいのは特別好まれないよね。
「マリー・アントワネット」初観劇してきましたよ。
私は宝塚、四季以外の公演で観劇した事があるのは「エリザベート」「モーツァルト」「マイ・フェア・レディ」「ダンスオブヴァンパイア」だけなのですが、結構好きだった。
何かの評価で「ダンスオブヴァンパイア」より順位が低かったけど、私的にはそっちよりは好みでした。

ただ、この題材はどうかなと頭にはよぎりましたが。
私は宝塚ファンなので「ベルサイユの薔薇」を知ってしまっていたから、何か被るんですよ。
市民の代表=オスカル様=マルグリット・アルノー
悲劇のヒロイン=マリー・アントワネット
と感じました。
2幕の場面やマリーとフェルゼンが恋を歌っている場面などは、それがちらほらちらほらでてきてしまってね。
舞台の「ベル薔薇」は置いておいたとしても、池田先生のベル薔薇って日本人向けの素晴らしさがあるのでね
そこと比べてしまうと相手が悪かったかなと思わないでもなかったです。

えぐさではなく綺麗な悲しさだったからね、ベル薔薇

でも、人間的な部分を言うのなら「マリー・アントワネット」かなと思わないでもなかったです
ただ、人間のえぐさを見せ付けられて終わっているので、後味が悪い
あえてメッセージを向けているのなら「こうはなるな」なのでしょうか?
でも、ああいう世界であるのならあれで仕方がない様にも思えるので、じゃあ何が言いたいんだという疑問は残ります。

何かを伝えるのではなく、ただ人という物を見せたいだけなのだとしたら悪趣味と言えない事もないかもしれません
痛々しいし。

ただ、音楽と役者は凄く良い。
誰一人出来ない人がいないし全員が主役をやっててもおかしくない様な人間を集めてきている。
だからこそ、逆にこれでこれだけなのかと思わさせられる部分もあるのかもしれませんが。
歌は素晴らしいけど、山口さんはもう少し歌って欲しいですよね?
あと、山口さんにおいての説明ももう少ししてくれないと分かり辛いですよね。

それは置いておいて素晴らしい役者陣に感じた事。

マリー・アントワネット@涼風真世
宝塚の真ん中に立っていた人なんだなと実感。
一人で立っていて舞台をきちんと成立させている部分に凄いなと思いました。
全ての象徴的役割を担っているのかなと。
悪の象徴でベルサイユの象徴でこの公演の象徴。
彼女を主として舞台は回っている。
でも、だからこそ逆に彼女という個人をもっと描いて欲しかった。
あれじゃあ、因果応報だと思います。
我侭になった理由と我侭じゃない部分、それは必要だったのではないかと。
もっと、人間らしく描けていればマリー・アントワネットにも同情が出来てより後半が生きてきた様に思えます。
そうでないのなら、最後まで純粋な処刑台までスキップしていく様な馬鹿で純粋な女でも良かったのかもしれませんが。
どっちつかずな所が微妙でした。
逆に悪の象徴でいさせるのなら後半はいらないけど、それじゃあダメなのよね?
フェルゼンと声があっててメロディが綺麗でした。
役者さんとしては、前半の馬鹿女も後半の母としても凄く偉大で良かったです。

マルグリット・アルノー@笹本玲奈
私が見た日にちは彼女でした。
物凄く可愛いよ。
小さくないのかもしれないけれど小さく見えて可愛いのよ。
私はこの公演で初めて彼女を知ったんだけど、凄いパワフルでした。
「綺麗な顔してるね」と言われてるのが納得できる可愛さ。
でも、歌いだすと男の子みたいな力のある声。
なよなよしてなくて、庶民として生きているのが凄くよくわかる。
始めみじめな彼女がどんどん力を持って庶民の象徴の様になっていくのがとても心地よかった。
彼女の声には力があって付いていきたいと望んでしまう。
ただ、最後で「迷ってしまうのはどうなんだろう」と思わないでもなかったです。
葛藤しながら強くなっていく部分には何も感じませんが、最後に迷いながら終わるのは芝居としてどうなんだろうと。
それならば、最後まで市民の象徴としていて欲しかったかもしれません。
ただ、彼女を見るだけでも価値はあると思う。

アエニス・デュシャン@土居祐子
いる意味が若干わからない役だったなと思わないでもない様な役ですよね?
役者さんが素晴らしいから、誤魔化されてるけども。
彼女は良心の象徴なのかしら?
私は私的に彼女の目から物語を作ればよかったのにと思いました。
マリーという王朝の象徴とマルグリットという市民の象徴。
その二つを見ているもう一つの人間。
現代の私達の様な無力な人間。
そんで最後にアニエスにマルグリットの歌を歌わせれば良かったのではないかなと思いましたよ。
最後にマルグリットが迷ってしまう事で彼女は存在の意味をがなくなっている様な気がして勿体無かったです
聖女様の様な人で優しい声だった。
彼女の様な癒しが私も欲しいなー。

と、とりあえず今日は此処までで。
男性陣はまた、明日でも語りたいと思います。
無理だろうけど花総まりマルグリット、和央ようかマリー・アントワネットでこの作品が見たいと思ってしまったよ!
凄い花ちゃんマルグリットが似合うと思うのよね。
それにたかこさんも負けないと思うから、二人で見たいと身悶えました。

宝塚では愛がないし、女が主人公なので普通に無理でしょうね。
もしかしたらバウでならとも思ったけどすみれコードにひっかかりまくりそう。

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